大切なお家を守るために高いお金を払って屋根塗装をしたのに、数年で塗装が剥がれてきたり、あろうことか塗装したせいで雨漏りが始まってしまったり……。実は、屋根塗装の業界ではこうした施工不良によるトラブルが後を絶ちません。
屋根の上は普段お客様の目が行き届かない場所だからこそ、悪徳業者による手抜き工事が発生しやすいポイントでもあります。
シリーズ第9回となる今回は、絶対に避けたい「屋根塗装の2大トラブル事例」と、その原因、そして「手抜き工事を未然に防ぐための回避策(業者選びのポイント)」について徹底解説します。契約前に必ず知っておいていただきたい必読の内容です。
1. トラブル事例①:施工後わずか数年で起きる「塗膜の剥がれ」
最も多いトラブルの一つが、塗装後1〜3年という短期間で、塗ったばかりの塗料がペラペラと剥がれてきたり、プクッと膨れてきたりする現象です。
原因は「下地処理」と「乾燥時間」の手抜き
塗膜の早期剥がれは、塗料の品質の問題ではなく、99%が職人の「施工不良(手抜き)」によるものです。具体的には以下の理由が挙げられます。
- 高圧洗浄の不足: 古いコケやカビ、傷んだ旧塗膜を完全に洗い落とさずに、汚れの上から新しい塗料を塗ってしまった。
- ケレン作業(サビ落とし)の不足: 金属屋根などで、サビをしっかり削り落とさずに塗装したため、内部でサビが進行して塗膜を押し上げた。
- 乾燥時間(インターバル)の無視: 高圧洗浄の後や、下塗りの後、塗料が完全に乾ききる前に次の塗料を塗り重ねてしまった(工期を急ぐ悪徳業者によくある手口です)。
【回避策】工程表の確認と「写真報告」の義務付け
見積もりの段階で、「高圧洗浄」や「ケレン作業」がしっかり項目として入っているか確認しましょう。また、一番の防衛策は「各工程(洗浄後、下塗り、中塗り、上塗り)の作業写真を必ず撮影し、提出してもらうこと」を契約の条件にすることです。証拠が残る状態であれば、業者は手抜きができなくなります。
2. トラブル事例②:塗装したせいで発生する「雨漏りの誘発」
「雨漏りを防ぐために塗装したのに、塗装直後から雨漏りが始まった!」という、本末転倒な恐ろしいトラブルです。特に、現在最も普及している「スレート屋根(コロニアル)」で多発しています。
原因は「縁切り(えんぎり)」作業の欠如
スレート屋根をローラーで塗装すると、屋根材と屋根材の重なり合うわずかな隙間が、塗料でベッタリと塞がってしまいます。この隙間は、内部に入り込んだ雨水や湿気を逃がすために絶対に開けておかなければならない場所です。
ここが塞がると、「毛細管現象」によって雨水が屋根の内部へと吸い上げられ、逃げ場を失った水が室内にポタポタと雨漏りとして落ちてくるのです。
【回避策】見積もり書に「タスペーサー」があるか確認!
この事態を防ぐためには、塗料で塞がった隙間をカッターで切り開く「縁切り」という作業、あるいは、塗装前に隙間に小さなプラスチック製の器具を挿入して隙間を確保する「タスペーサーの設置」が必須です。
スレート屋根の塗装を依頼する場合は、必ず見積もり書に「タスペーサー(または縁切り)」の項目があるか確認してください。これを知らない、または省こうとする業者は絶対に避けるべきです。
3. トラブル事例③:塗料の薄めすぎ(規定の塗布量不足)
塗装後、すぐに色あせやチョーキング(白い粉が吹く現象)が起きるトラブルです。
原因は「塗料代を浮かすための悪質行為」
塗料は、メーカーが定めた「水(またはシンナー)で薄める割合(希釈率)」と「1平米あたりに塗る量(塗布量)」を厳守することで、初めて本来の耐久性を発揮します。
しかし、悪徳業者は塗料代をケチるために、規定以上に水でシャバシャバに薄めて塗ったり、本来3缶必要な屋根を2缶で無理やり塗り切ったりします。当然、塗膜が薄くなるため数年で劣化してしまいます。
【回避策】使用する「缶数」を事前に提示してもらう
契約前に、「我が家の屋根の面積なら、この塗料は何缶使う予定ですか?」と質問してみてください。優良業者であれば、面積とメーカーの規定塗布量から正確な缶数を計算し、即座に答えてくれます。さらに、工事が終わった後に「使い切った空の塗料缶の写真」を提出してもらうのも効果的です。
4. まとめ:手抜き工事を見抜く!優良業者の条件
屋根塗装のトラブルは、一度起きてしまうと修復に莫大な費用と手間がかかります。トラブルを未然に防ぐためには、以下の条件を満たす業者を選ぶことが大切です。
- スレート屋根の場合、「タスペーサー(縁切り)」の重要性をしっかり説明してくれる
- 「一式」ではなく、下地処理から塗装ごとの内訳まで詳細な見積もりを出してくれる
- 見えない屋根の上だからこそ、「工程ごとの写真提出」を快く約束してくれる
少しでも「説明が曖昧だ」「質問をはぐらかされる」と感じたら、その業者とは契約せず、別の業者に相見積もりを依頼しましょう。
【次回予告】
全10回シリーズの最終回となる第10回では、これまでの総まとめとして「失敗しない屋根塗装!信頼できる優良業者の選び方と、契約直前の最終チェックリスト」をお届けします。後悔のないリフォームを実現するための総仕上げです。ぜひ最後までご覧ください!
第10回 失敗しない屋根塗装!信頼できる優良業者の選び方と、契約直前の最終チェックリスト




