屋根塗装の見積もりを業者に依頼すると、「せっかく足場を組むので、外壁塗装も一緒にどうですか?」と提案されることがよくあります。
「予算オーバーさせようとする営業トークでは?」と警戒してしまう方もいらっしゃるかもしれませんが、実は建築のプロの視点から見ると、外壁と屋根を同時に塗装することは非常に理にかなった、最もコストパフォーマンスの高い選択なのです。
シリーズ第8回となる今回は、「外壁と屋根を同時施工する最大のメリット(足場代の節約)」と、「将来を見据えた賢い塗料の選び方」について徹底解説します。
1. 最大のメリットは「足場代」の大幅な節約!
屋根と外壁を同時に塗装する一番の理由は、ズバリ「足場代の節約」です。
足場代は1回の工事で約15万〜20万円かかる
屋根塗装でも外壁塗装でも、安全かつ丁寧な作業を行うために「足場」の架設は必須です。一般的な戸建て住宅の場合、この足場を組んで解体する費用だけで約15万〜20万円かかります。
もし、今年屋根塗装をして、3年後に外壁塗装をした場合、足場代だけで合計30万〜40万円を支払うことになります。しかし、同時に施工すれば足場は1回組むだけで済むため、約15万〜20万円もの費用がまるまる浮く計算になるのです。これが同時施工を強くおすすめする最大の理由です。
2. コスト以外にも!同時施工をおすすめする3つの理由
足場代の節約以外にも、同時施工にはお施主様にとって嬉しいメリットがたくさんあります。
① 打ち合わせや生活のストレスが1回で終わる
塗装工事が始まると、「業者との打ち合わせ」「近隣へのご挨拶」「足場組み立て時の騒音」「窓を閉め切る・洗濯物が干せない制限」など、少なからず生活に負担がかかります。別々の時期に行うとこれらのストレスを2回味わうことになりますが、同時施工なら1回の我慢で済みます。
② 家全体の美観が統一され、新築のように生まれ変わる
屋根だけを綺麗に塗装してツヤが出ると、今まで気にならなかった外壁のくすみや汚れが、対比によって急激に目立って見えてしまうことがよくあります。同時に塗り替えることで家全体のトーンが合い、新築時のような美しさを取り戻すことができます。
③ 次回のメンテナンス周期(資金計画)を合わせられる
今回バラバラの時期に施工してしまうと、10年後、15年後の次回のメンテナンス時期もバラバラに訪れることになります。「常に家のどこかの修繕費を気にしている」という状態を避けるためにも、メンテナンスのタイミングをリセットして一本化しておくのは賢い選択です。
3. デメリットはある?知っておくべき注意点
もちろん、同時施工にも知っておくべき注意点(デメリット)があります。
① 一時的な初期費用(イニシャルコスト)が高くなる
トータルコストで15万〜20万円お得になるとはいえ、屋根と外壁を一緒に塗れば、当然1回に支払う工事金額は大きくなります(一般的な30坪の住宅で約100万〜150万円程度)。リフォームローンなどを活用し、無理のない資金計画を立てることが重要です。
② 工事期間が少し長くなる
屋根塗装単独であれば約7〜10日で終わりますが、外壁塗装も同時に行うと、作業工程が増えるため約2週間〜3週間程度の期間がかかります。少し長く生活に制限がかかる点だけは覚えておきましょう。
4. 次の周期を合わせるための「塗料選び」の鉄則
屋根と外壁を同時に塗装して「次回のメンテナンス時期を合わせる」ために、絶対に知っておくべきプロの鉄則があります。それは、「屋根の塗料を、外壁の塗料よりもワンランク上のグレードにする」ということです。
なぜなら、屋根は外壁に比べて、直射日光(紫外線)や雨風をダイレクトに受けるため、劣化のスピードが外壁よりも早いからです。同じシリコン塗料を塗っても、外壁が15年持つのに対し、屋根は10年〜12年で寿命を迎えてしまいます。
そのため、サイクルをぴったり合わせるには、以下のようにグレードをずらすのが基本です。
- 外壁に「シリコン塗料」を選ぶなら、屋根は「フッ素塗料」を選ぶ
- 外壁に「フッ素塗料」を選ぶなら、屋根は「無機塗料」を選ぶ
5. まとめ
外壁と屋根の同時塗装は、数十万円の足場代を節約でき、生活のストレスも軽減できる非常に賢いメンテナンス方法です。
もし現在の予算で可能であれば、将来のライフサイクルコストを大幅に下げるために、ぜひ同時施工を検討してみてください。見積もりを取る際は、「屋根のみの場合」と「外壁と屋根を同時の場合」の2パターンを業者に出してもらい、じっくり比較することをおすすめします。
【次回予告】
次回の第9回では、絶対に避けたい「屋根塗装のトラブル事例と回避策!『塗膜の剥がれ』や『雨漏りの誘発』を防ぐ方法」について解説します。手抜き工事を見抜くポイントにも迫りますので、契約前に必読の内容です!




