外壁に現れた劣化症状の進行度合いによって必要な補修工事の内容は異なります。
シーリングの打ち替えなど細かな補修であれば数万円で済む一方、ダメージが広範囲におよび、外壁塗装を含む全面補修が必要になると数十万~100万円以上の高額な費用がかかります。 外壁の補修の全体像を把握するために、まずは部分補修と全面補修の代表的なメニューを見ていきます。
部分補修
外壁のダメージや劣化が大規模でない場合、 つまり部分的なひび割れなどについては、必要な箇所だけに部分的な補修を施します。 部分補修は災害や事故など突発性のダメージに対して施すことが多く、 施工範囲が小さいため、比較的安く済ませられます。
クラック・サビ補修
クラックやサビは劣化している部分だけを補修すれば済む代表的な症状です。しかし外壁材の内部までダメージが広がっている場合は、全体補修や外壁材の交換が必要になるかもしれません。
劣化を見つけたら放置せず、すぐに対処すれば結果的に安く済ませられます。
クラックの部分補修は、 パテなどの補修材で埋めることが一般的です。 費用相場は1万~10万円前後ですが、 症状が進んで段差ができているような状態だと30万円近くかかってしまうこともあります。
サビの部分補修は、まずはサビを専用の工具で削り落とすケレン作業をした後に、サビ止めを塗ることが多いです。
シーリング材の補修方法
劣化してひび割れたり痩せたりしたシーリング材の補修方法は、大きく2種類あります。
<打ち替え>
シーリング材を新しいものに交換します。
材料の撤去費用などもかかりますが、耐用年数は10年ほどあります。
<増し打ち>
現状のシーリングの上から補修剤を埋め直します。
費用は比較的安く済みますが、耐用年数は2~5年ほどと短めになります。
全面補修
外壁の広範囲にダメージや劣化がある場合は、全面的な補修を施します。
全面補修は外壁材や塗装が耐用年数を超えたときに施すことが多く、費用が高めになりやすい補修です。
●外壁塗装
外壁塗装は全面補修の代表的な工事です。チョーキングや塗装の剥がれなどを補修するときに行われます。 近年では塗料も進化を遂上げており、高い防汚性や遮熱性をもつ塗料も次々に登場しています。
●サイディング補修
外壁全体にサイディングボードを貼りつけ、ボード同士のジョイント部分をシーリングでつなぎ合わせ、 止水をする工事です。
ひび割れや剥がれが広範囲に見られるときに行います。 サイディング補修には大きく2種類あります。
<カバー工法>
現状の外壁材の上に、新しい外壁材としてサイディングボードを貼りつけます。重ね張り工法とも呼ばれます。
比較的費用が安く、工期も2週間ほどで短く済みます。
<張り替え工法>
現状の外壁材を撤去して新しいサイディングボードを貼りつけます。
費用は高めで工期も1カ月ほどかかりますが、 耐震性を損なわない点は魅力です。